平成21年度卒業式式辞

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平成21年度卒業式式辞

 卒業を迎えられた皆さん、おめでとうございます。長年にわたりお子様を支えてこられたご家族の皆様にも心からお祝いを申し上げます。
 本日ここに、ご臨席賜りました青森県知事、三村 申吾様をはじめ多くのご来賓の皆様方とともに、健康科学部生166名、博士前期課程生11名、博士後期課程生7名の皆様に、卒業証書・学位記を授与できましたことは、本学にとって大きな喜びであり誇りであります。
 総数184名が所定の全課程を修了し、晴れて本日の式典に臨むことができますのは、皆さんのたゆまない努力の賜物であり、心から敬意を表します。
 皆さんは、まもなく社会に巣立ち、保健医療福祉の専門的職業人となることが期待されています。病院等で研修を受ける人、研究者、教育者として第一歩を歩まれる方もおられます。
 いずれにしても本学での学びを糧として、それぞれの分野でさらに努力を重ねられ、成長し社会に貢献していただきたいと願っております。
 ここでいま一度しっかりと思い出していただきたいことは、本学の教育理念です。
 それは、「人々の健康と生活の質の向上をめざしヒューマンケアを提供できる専門職の人材育成」です。 
 皆さんは、知識・技術のみでなく様々な生き方と価値観を持つ人々に寄り添う暖かさと感性を培ってこられました。そして今、保健医療福祉の専門家の一員として、スタートラインに立ちます。社会に旅立つ期待と不安が入り混じっておられる皆さんに、私からの3つの人生経験をお話したいと思います。
 先ずは、目標を定めることです。私の卒業時の目標は、若いうちは、2年ごとに自分の人生に甘んずることなくチャレンジすることでした。それは、2年後には渡米し、外国での看護を学ぶということでした。2年後のことは、又その場で考えることとしました。
 結果、全く異なった社会・文化・価値観に触れ合ったことは、衝撃的であり、広い世界に向って開眼した時です。自分と向き合い、自分には何ができるか真剣に悩んだ時でした。
 何よりもの収穫は、自分の可能性を信じて、何でも一生懸命取り組んだことです。
 それによって、今まで「できない」と決めつけていたのは自分自身であったこと、英語のハンディや欠点を乗り越えて、失敗してもTRYする姿勢を学習しました。
 2度のイスラエルでのボランティア活動を通しての学びは、国づくりとは、安全とは、人々との幸せとは、日々の生活や健康等について、平和な日本にいては想像もつかない価値観や生の原点を学びました。
 2番目は、点を繋ぐことです。今振り返ると若いということは、無防備ともいえるほど境界線がありませんでした。何でも進んで経験しました。渦中にいる時は意味づけできませんでしたが、これらの点は、振り返ってみてはじめて線になり未来に向って決断を迫られる時の指標になっています。
 3番目は、生あるものは全て終わりがあるということです。このことを意識したのは、まだ幼い時でした。人の命にかかわる仕事に関わることで忘れそうになる「死」を常に意識し、自分の命を十分生かしたいという考えで選んだ看護の道は、未知の奥深いおもしろい世界でした。
 数え切れない人々の出会いからパワーをもらい続けています。「死」を意識することにより、自分にとって何が大切か明確になり、生を全うするバックボーンになっています。
 最後にアップルコンピューターの重役であるスティーブ・ジョブスは、スタンフォード大学の卒業式のスピーチで含蓄ある言葉を送っています。
 それは、「Stay Hungry. Stay Foolish」という言葉です。
 「いつもおなかをすかしていること、おろかであること」は、私の生き方でもあります。「足りない」という思いから努力が生まれます。満たされ、賢くなればなるほど進歩と成長はみられません。
 皆さんには、これから何度も自分に失望し、荒波の中で揉まれ、打たれ、自問しつつたくましく成長してゆかれることを願っております。
新しい人生のスタートラインに立つクラス2009年の皆さん、いつまでも「Stay Hungry. Stay Foolish!」そして限りない皆さんの前途を祝してお祝いの言葉といたします。

 平成22年3月18日

青森県立保健大学学長 リボウィッツよし子