平成23年度入学式式辞(4月21日掲載)
式 辞
新入生の皆様、御入学おめでとうございます。
本日は、健康科学部生239名、大学院健康科学研究科博士前期課程生9名及び博士後期課程生6名、合計254名の新入生の皆さんを本学に迎えることができました。
本日、集いました入学生の多くは、突然の東日本大震災という惨事に見舞われましたが、無事ここに、青森県知事 三村申吾様をはじめ、御来賓各位の御臨席を賜り、入学式を挙行できますことは、この上もない喜びであります。
さて、皆さんは、大震災のすさまじい惨禍を記憶し、保健医療福祉の分野で活躍することを期待されております。この記憶をばねとして、看護師、保健師、助産師、理学療法士、社会福祉士、精神保健福祉士、管理栄養士をはじめ、保健医療福祉の幅広い知識と各分野における高い専門的能力を備えた専門職として、世の中に貢献していただきたいと願います。
本学の教育は、学部では、豊かな人間性と専門性を有した専門職の育成を、博士前期課程では、高度実践力を備えた専門職業人の育成を、博士後期課程では、教育者や研究者の育成を目指しております。
本学に一貫する教育の理念は、人々の「健康と生活の質の向上」を目指し、ヒューマンケアを提供できる保健医療福祉の人材の育成、さらには、地域社会に貢献できる人材の育成であります。
地域社会とは、国内のみにとどまらず、世界を視野においています。
ヒューマンケアとは、ケアの提供者として知識や技術を有するのみでなく、人間とはなにかを理解し、病気や障害や災害にあった人々の心の痛みを感じとる思いやりと、暖かさを持ち、寄り添うことにより、人々が健康、不健康な状態を問わず生きてゆく手助けができることです。
近年、日本の社会は「無縁社会」と言われ、人の暖かさを忘れがちでしたが、今回の災害をとおして、溢れ出るように差しのべられた被災された方々への思いやり、国内外の人々の助け合い、繋がりなど、新しい街づくりへと動きはじめました。
皆さんには、保健医療福祉の専門職として成長され、本当の豊かさを求めて、本学の真髄であるヒューマンケアを世の中に役立てていただきたいと思います。
今、心を育むとは、危機と不安のなかで前向きに生きることです。
皆さんは、与えられた命を十分に生きるべくこの学び舎で、既に皆さんのなかに潜む可能性に挑戦していただきたいと思います。
アフリカで医療活動に従事したアルバート・シュバイツァー博士は、
「 地下に流れる水は目に見える流れより多いように、人間は心の中に繋いでいる、あるいは、わずかに解放している理想主義は、世に現れたものより、はるかに多いものである。
繋がれたものを解き放つこと、そこに流れる水を地上に導くこと、これを成し遂げることを人類は待ちこがれている。」と述べています。
この言葉が私の心に響くのは、自分を解き放ち、可能性を探し求めることで自分がより生かされることを意味しているからです。
青森は、八甲田山からの豊かな水が地上にあふれ出ています。
まさに、地下に流れている水は、まだ、気付かれていない皆さんの可能性なのです。
それに皆さんが気付き、地上に吸い上げ、世の中で役に立てる、その力はすでに皆さんの中にあるのです。
最後に、予期せぬ東日本大震災で失われた多くの尊い命と御家族の皆様に心より哀悼の意を表しますとともに、若き皆さんには、これらの命をしっかり繋ぎ十分に活かしてゆかれることを期待し、式辞といたします。
平成23年4月16日
公立大学法人 青森県立保健大学
学 長 リボウィッツよし子








