平成24年度卒業証書・学位記授与式式辞

 青森の冬が過ぎ去り、日ごとに新しい生命の息吹を感じる季節を迎えました。


 皆さん、ご卒業おめでとうございます。青森県立保健大学は、本日ここに、平成24年度の学部卒業生223名、博士前期課程生5名、博士後期課程生1名に、卒業証書・学位記を授与いたしました。本学の教職員を代表して、心からお祝い申し上げます。また、今日まで皆さんを育み励ましてくださったご家族の皆様には、お喜びも一塩と存じます。おめでとうございます。また、佐々木郁夫青森県副知事をはじめ、ご臨席賜りました、多くのご来賓の皆様に深く感謝申し上げます。


 さて、皆さんの在学された期間には、さまざまなことがありました。とりわけ衝撃を受けたのは、2年前の東日本大震災でした。「命の尊さ」に気付かされ、「絆」をテーマに大学祭では地域のみなさんを巻き込み、ボランティア活動や義援金集めと若き情熱を注ぎ、これこそ本学の目指す「Human caring」と大変頼もしく誇らしく思いました。


 これから社会人として第一歩を歩みだそうとされている皆さんは、日本の未来を担い、震災復興と超高齢化社会の中で、保健医療福祉の専門職の一員として、待ったなしの活躍が期待されております。博士課程修了者の方々は、エビデンスに基づく教育・研究・高度実践者として更に社会に貢献されることが求められております。そんな皆さんに、本日は、3つのことをお伝えしたいと思います。


 まずは、「人に迷惑をかけない」からもう一歩進んで、助けを必要としている人々に「手を差し伸べる」気持ちを大切にしていっていただきたいと思います。わが国は成熟社会を迎え、孤立化が進みました。いまこそ原点に戻り、人として支えあう社会人になって欲しいと願います。2点目は、専門職者として成長することです。就職して1、2年目は厳しい時であることを覚悟してください。素直で謙虚な気持ちで、決して諦めることなく、学ぶことに邁進してください。本学で学んだ知識や技術は、基礎であり、これからは、多くの例外に出会い、先輩の支援を受け自分で判断してゆくことでしょう。失敗を恐れず、自分の学びとしてください。そして小さなことで立ち止まらないことです。Life is like a riding a bicycle. To keep your balance, you must keep moving. つまり今日の失敗や人の思いに気をとられすぎずにバランスを保ち、前に向かって動き続けることです。みなさんは、既に専門職の一員としての資格を獲得したのですから、目標を定めて常に自分の器を磨き、社会に役立てていただきたいと思います。迷い立ち止る時は、視点を変え、選択する自由があることを喜びましょう。世界には選択肢もない国がたくさんあります。更に「人はどんな苦境にあっても乗り超えられる」と信じると、力がわいてきます。


最後の3点目に、「笑いと笑顔」を忘れないで下さい。笑顔は笑顔を呼び不思議と何事もうまくいきます。そしてGo confidently in the direction of your dreams!  自信を持って自分の夢に向って歩んでください。
 卒業式は、英語で“commencement” といい「新しい始まり」を意味します。皆さんの卒業証書・学位記は、始めであり、社会に出てからの日々の学習の積み重ねから道は開けます。皆さんの前途に希望と輝かしい未来を祈願し、はなむけの言葉とさせていただきます。
Let’s go everybody !
 

平成25年3月19日 公立大学法人青森県立保健大学
理事長・学長 リボウィッツよし子

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