AJHW抄録(日本語)

https://doi.org/10.24552/00002196 ©青森県立保健大学

青森県立保健大学キャリア開発センターニーズ調査の概要と学部・大学院教育への示唆
(キャリア開発センターニーズ調査結果報告Ⅰ)

角濱春美1)2),佐藤 伸3),大西 学2)

1)青森県立保健大学健康科学部 2)青森県立保健大学キャリア開発センター 3)青森県立保健大学大学院健康科学研究科

 

抄 録

〔目的〕 キャリア開発センターの事業展開の基盤とするためのニーズ調査から,目的と方法,回収の概要について,卒業生の能力評価と大学院進学の意向の結果を分析し,課題を探索する。

 

〔方法〕  1 .調査期間:2021年 2 月 2 .調査対象者:青森県内の保健医療福祉施設で本学の事業に参加したことのある1,399施設 3 .調査方法:郵送による自記式無記名アンケート調査 4 .調査内容:独自に作成したキャリア開発の課題に関する質問紙 5 .分析方法:量的データは単純集計,質的データは質的帰納的方法

 

〔結果〕 調査の結果,回答施設は371(26.5%)であった。設置主体は,社会福祉法人,医療法人が多く,職員30人未満が半数であった。卒業生が在籍している施設が20%あり,卒業生の能力であると思うと答えた割合が70%を超えた項目は,まじめ,教養,専門的知識,表現力(書く),倫理的態度,自分で学ぶ力,表現力(話す),50%より少ない項目は,うたれ強い,リーダーシップ,であった。大学院進学実績があるのは8 施設であった。進学意向は少なかった。

 

〔結論〕 本学卒業生の能力について,本学ディプロマ・ポリシーのうち,『自らを高める力』,『専門的知識に根差した実践力』は身についていると評価されたが,『創造力』と『統合的実践力』は生涯学習を基盤として身につける能力であり,就労後の継続教育が必要であると考えられた。大学院入学に必要な個人的要件,学習内容や方法,得られる能力のイメージ付けを強化する必要がある。

 

《キーワード》 青森県,キャリア開発,教学マネジメント,大学院教育