AJHW抄録(日本語)

https://doi.org/10.24552/00002197 ©青森県立保健大学

青森県内の保健医療福祉施設における採用の課題及び 県内定着率が低い要因に関する調査報告
(キャリア開発センターニーズ調査結果報告Ⅱ)

村上眞須美,清水 亮,葛西孝幸,本間ともみ,新岡大和,中島玲子,大西 学,髙谷 憲,櫻田とき子,小山内豊彦
青森県立保健大学 キャリア開発センター 学生キャリア開発科

 

抄 録

〔目的〕ニーズ調査の結果から,学生キャリア開発科の活動に関連する内容を報告する。採用に関する課題
や県内定着率が低い理由等の検討によって,今後の活動への示唆を得る。

 

〔方法〕 1 .調査期間:令和 3 年 2 月 3 日~26日 2 .調査対象者:青森県内の保健医療福祉施設で,本学の事業に参加したことのある1,399施設 3 .調査方法:郵送による自記式無記名アンケート調査 4 .調査内容:独自に作成したキャリア開発の課題に関する質問紙 5 .分析方法:量的データは単純集計後,属性とのクロス集計を行い,有意差の検定は χ 二乗検定,

Fisher の正確確率検定,質的なデータは質的帰納的方法を用いた。 6 .倫理的配慮:公立大学法人青森県立保健大学が実施するアンケートに関する規程に基づいた。

 

〔結果〕 回収371(26.5%)であった。採用の課題は,「中途採用者の指導・管理」が最も多く次いで「新入職者のメンタルサポート」であった。職員数100人未満の施設では「新人教育」を課題としていた施設が有意に多かった。県内定着率が低い要因として≪職場に関する要因≫≪新卒者に関する要因≫≪地域に関する要因≫≪教育機関に関する要因≫の 4 つのカテゴリーが得られた。

 

〔結論〕  1 .小規模施設の「新人教育」を支援する研修内容や体制づくりが必要である。 2 .雇用者と学生の認識の乖離を無くすために直接意見交換する機会が重要である。 3 .県,職場の魅力や情報を発信するための支援が必要である。

 

《キーワード》青森県,就職,採用,県内定着,キャリア