AJHW抄録(日本語)

https://doi.org/10.24552/00002156 ©青森県立保健大学

看護系大学におけるフルスケールシミュレーション教育推進を目指して(第2報)―GAS モデルを用いたデブリーフィングの振り返り―

小池祥太郎,千葉武揚,本間ともみ,福岡裕美子,木村恵美子

青森県立保健大学健康科学部看護学科

 

抄 録

 

〔目的〕 フルスケールシミュレーション教育において,デブリーフィングは特に重要とされているものの,デブリーフィングを実施する教員と学生との関わりや,これらの場面の振り返りを行った内容の報告は少ない。そこで,本論文では実際に行ったフルスケールシミュレーション教育のデブリーフィング場面を紹介するとともに,実践したデブリーフィング場面で教員がGAS モデルを網羅しているか,学生は学習目標を達成できたかを検討したので報告する。

 

〔方法〕 ファシリテーターである看護教員1名と看護学生2名のデブリーフィング場面でのやり取りを録画した。次に,録画した内容を逐語録におこし,ファシリテーターの問い掛けをGASに分類し,GASを網羅しているかを分析した。最後に,学生のコメントから学習目標を達成したか分析した。

 

〔結果〕 デブリーフィング場面で,ファシリテーターはGASモデルを網羅した問い掛けを行っており,また,看護学生は学習目標を達成することができていた。

 

〔結論〕 GASモデルを用いて振り返ることで,ファシリテーターは学習目標を達成するために必要な問い掛けを行っているか,また,それらの問い掛けが学習目標達成を促しているかを振り返ることができた。よって,今後もシミュレーション教育実施時は,GAS モデルやその他の評価ツールを活用して振り返りを行い,教員のデブリーフィング能力向上につなげていきたい。

 

《 キーワード》 シミュレーション教育, デブリーフィング, GAS モデル, フルスケールシミュレーション, 看護教育