https://doi.org/10.24552/00002172 ©青森県立保健大学
わが国における 2 型糖尿病患者の自己効力感を高める患者教育に関する文献研究
小出るみ子1,2),福井幸子1,3)
1 )青森県立保健大学大学院 健康科学研究科
2 )八戸学院大学 健康医療学部 看護学科
3 )青森県立保健大学 健康科学部 看護学科
抄 録
〔目的〕わが国における自己効力感を取り入れた 2 型糖尿病の患者教育について文献研究を行い,自己効力感を高める 2 型糖尿病の患者教育のあり方について考察する。
〔方法〕「 2 型糖尿病」,「患者教育」,「自己効力感」,「原著論文」を検索語とし,CINAHL 及び医学中央雑誌 Web 版を用いて,1999年~2020年の期間で検索した。自己効力感の評価データは,数値で表している客観的データを対象とした。
〔結果〕国内で実施された研究の14文献を分析対象とした。教育方法は個別指導が10件と多く,自己効力感を高めた患者教育には,認知行動理論に基づいたプログラムの実施や,SMBG(血糖自己測定)を用いた栄養指導,対象者の食行動変容ステージに合わせた栄養指導, 6 か月間にわたった面接と電話による個別的な教育指導があった。教育期間は 6 か月以内のものが多く,12か月間実施したものは 1 件のみであった。教育プログラムにより自己効力感が上昇し,HbA1c値が低下したのは 5 件あり,BMI 値が改善したものが 3 件であった。
〔結論〕自己効力感を高める患者教育には,行動理論に基づいた長期的な個別指導や,成功体験につながる達成可能な目標設定が有効であることが示唆された。
《キーワード》2 型糖尿病,患者教育,自己効力感