AJHW抄録(日本語)

 https://doi.org/10.24552/00002173©青森県立保健大学

 

A県相談支援従事者現任者研修受講生による研修評価
―研修満足度と支援困難事例の関連から―

齋藤果南1),石田賢哉2)

1)青森県立保健大学 健康科学部 社会福祉学科

2)青森県立保健大学 健康科学部 社会福祉学科

 

抄 録

[目的] 本調査は,A 県相談支援従事者現任者研修の受講生を対象に,実務における困難の有無と受講生の
研修満足度の関連について検討することを目的としてアンケート調査を実施した。

 

[方法] A 県相談支援従事者現任者研修に参加した50名を対象に,質問紙法を用いてインターネット上で調
査を行った。18名からの回答が得られた。分析には SPSS ver 26.0を用いた。質問項目は研修満足度,基本
属性,職務状況から構成されていた。
 

[結果]  研修の総合満足度(平均=110.1,SD=17.2)を従属変数,その他の各項目を独立変数として t 検
定及び一元配置分散分析を行った。その結果,援助者の対応に関する困難要因があると回答した受講生は,
総合満足度が低いという結果であった(df= 1 ,t=17.71,p=0.004)。

 

[結論]  総合満足度を下げる要因として,支援困難事例の要因の 1 つである「援助者の対応に関する要因」
が強い影響を与えていた。この結果には,研修の学びを受講生の業務に生かすことができないことが 1 つの
原因であると考えられる。「援助者の対応に関する要因」がある人が研修の学びを実務に生かすためには,研
修受講後の教育的スーパービジョンを充実する必要があると考えられる。

 

《 キーワード》 相談支援従事者現任者研修,相談支援専門員,支援困難事例