化学の基礎

健康科学部4学科共通

授業科目 化学の基礎
科目概要・形式 1単位 15時間 選択 
(看護学科編入生のみ単位認定)
配当年次 1年前期
科目責任者 松江 一 担当者 松江 一

1.科目のねらい・目標

本科目は高校で「化学」を選択しなかった学生を対象としますが、後期に「生命基礎科学」を受講する看護の学生には「基礎編」となるため聴講を薦めます。本学では、「生命基礎科学(生化学)」、「生理学」、「薬理学」および「栄養学」など分子レベルで理解が必要な科目が多数あり、それらの理解には化学の基礎知識、特に、分子構造の見方が必要になります。本講義では、これらの科目にスムーズに移行できるように、担当者がまとめた『なぜ化学が必要か?』、『生化学は面白い!』、『生化学を理解するための「化学の基礎」』や『分子模型およびDVD』を使用し、「生命基礎科学(生化学)」のどの様な場面で化学の知識が必要になるかを学ぶ。

2.授業計画・内容

第1,2回 第1部『なぜ化学が必要か?』(松江)を使用。グルコースやコレステロールの分子式から分子量の
 計算、mol質量数やM濃度の出し方、ボール&ステックを用いた分子模型を用いて構造式から化学的性質や作
 用など化学的な物の見方について学ぶ。続いて、生化学のエッセンスをまとめた、第2部『生化学は面白
 い!』(松江)を使用、化学の知識が生化学のどこで必要になるかを生体分子の構造と機能を例に学ぶ。
第3回 第3部『生化学を理解するための「化学の基礎」(松江)』を使用。第1~3章:原子・元素・分子、
 周期表の発見、放射線や放射能に関する発見と診断や治療への利用、化学式の表し方、いろいろな化学結
 合、元素の結合の手、molとMの違い、三種類の%濃度、mEq、Osmol。第4~6章:酸と塩基、水素イオン
 濃度、弱酸・共役塩基・緩衝液、血液のpH、化学平衡、酸化と還元などを学ぶ。第7~10章: 重要な無機元
 素Caや鉄、物質の三態と溶液、コロイド、吸熱反応と発熱反応、自由エネルギー、エネルギーの共役反応な
 どを学ぶ。
第4~5回 第11~13章:有機化合物の構造式、分子式の書き方、化合物の分類、構造異性体、sp3-sp2-sp混
 成軌道、極性分子、結合の強さと長さ、ベンゼンの構造、シス-トランス、立体異性体、不斉炭素、光学異性
 体DL体。第14章:有機化合物の反応、官能基と有機化合物の化学反応、付加・脱離・酸化還元・置換・エ
 ステル化反応について学ぶ。
第6~7回 第15~18章:糖質、脂質、アミノ酸・タンパク質と核酸など、生体にとって重要な有機化合物に
 ついて学ぶ。これは「生命基礎科学」につながります。

3.教科書

担当者がまとめた資料を配布し、それに沿って進めます。

4.参考書

 医療・看護系のための化学入門, 塩田三千夫, 山崎昶, 裳華房, 2008年, ISBN 4-7853-3068-2
 目で見る生化学入門(DVD, Vol.1〜6、医学映像教育センター、図書館備品)
 これからはじめる化学、第2版、安達達彦、三共出版、2012年, ISBN 978-4-7827-00643-5

5.成績評価方法

評価・単位認定はしない。但し、評価・単位認定が必要な学生には、理解度を確認するために講義開始時に課題を提示し、講義終了後のレポート提出。

6.授業の工夫している点(授業改善アンケート結果やピアレビュー結果から検討した内容等)

本講義資料の多くの化学構造式や図は、目に見えない分子生物学の分子の構造と機能をイメージ理解するためのツールになるので、「生命基礎科学(生化学)、薬理学、生理学など」の理解にも活用してください。

7.備考(学生へのメッセージ、学生購入物品など)

生命基礎科学(生化学)は保健医療分野に従事する人達はもちろんのこと、生物に携わる人達の共通言語である。それを理解するには化学の基礎が必要です。必要なポイントを絞っていきますが、理解できなかった内容、単語、記号などは、大学生らしく、メモり、人に聞く、調べる習慣を身に付けよう。若い君たちがその気になり、集中力と好奇心をもって学問すれば、あっという間に世界の最先端も理解出来るでしょう。

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