健康情報リテラシー

科目・科目群 ヘルスリテラシー科目
科目名 健康情報リテラシー
授業形態 講義 単位数 1単位 選択・必修 必修  
配当年次 1年次 学期 後期 合計コマ数 8コマ
コース選択 該当なし 他学科開講科目 該当なし
科目責任者(学内連絡教員) 山田 真司 学内連絡教員 山田 真司
科目担当者 熊谷 貴子、反町 吉秀、山田 真司
身につける力 創造力
学習キーワード 健康科学リテラシー、倫理的態度、クリティカル・シンキング

1.科目のねらい・目標

 情報の取り扱いは複雑で難しい。健康に関わる情報であればさらに複雑で取り扱いも難しくなる。この科目では健康に関する情報を適切に取得し、活用するための基礎的な知識と方法を身に付ける。

2.授業計画・内容・方法・準備学習等

1.授業計画・内容
 適切なアナロジーを想定することで、対象が複雑であっても明解な理解を得ること、深い洞察を導びくことが可能となる。この授業では健康情報の流通を川の流れのアナロジーで考えてみる。川の流れは水源から辿るのが普通だが、日頃目にするのは下流域である。この授業では下流からスタートし、(たぶん)まだ目にしたことのない水源までの旅をしてみよう。

第1回 健康情報リテラシーとは-この川はどんな川なのか (反町)
健康情報の特徴、健康情報リテラシーの必要性、健康情報の精度と情報を得るコスト
第2回 不確かな情報の現状と誤ったロジックを理解する(1)-流れの下流域 (反町)
インターネット上やTVに溢れている大多数の情報は元々の情報を歪めて使用したり、根拠ない主張であったりする。これらの不適切な情報の現状とその誤ったロジックについて理解する。
第3回 不確かな情報の現状と誤ったロジックを理解する(2)-流れの下流域 (反町)
不適切な情報における誤ったロジックを見破る視点やスキルについて学ぶ。
第4回 信頼できる健康情報とは-流れの中流域 (熊谷)
インターネットの健康・医療情報の検索スキルについて学ぶ。
第5回 インターネット上の質の高い医療情報-流れの中流域 (熊谷)
学術論文から直接情報を収集するには多くの労力が必要である。インターネット上にこれらの情報を適切にまとめた質の高い情報源が存在する。これらの情報源の特徴と使い方を紹介する。
第6回 学術論文-水源の近く (熊谷)
査読を経て公開された学術論文はもっとも吟味された情報である。目的にあった論文を探し出すための検索法、そしてこれを素早く正確に読み解くための「批判的吟味」の方法を学ぶ。併せて、疫学研究における因果とは何か、「統計的有意」が何を意味するかを学ぶ。
第7回 上流から水源で起きていること-健康情報はどのようにして作り出されたのか (山田)
上流や水源は人跡未踏の地と思っているかもしれない。しかし、実際には研究者と呼ばれる多くの人々が活動している。彼らの活動を主要なキーワードとともに紹介し、健康情報がどのようにして生産されていくかを説明する。
第8回 健康情報リテラシーとは-この川はどんな川だったのか (山田)
水源の高みから健康情報の川を俯瞰し、川のアナロジーで健康情報がどのように説明できるのか眺めていく。さらに、この回で健康情報において問題となるエビデンスとは何か、科学的であるとはどういうことかまでを論じる。

2.方法
回ごとに担当者を変えながら、講義形式で進める。

3.準備学習
健康情報はさまざまなメディアで日夜報じられている。これらの情報に根拠が示されているのか、根拠は果たして妥当なのかを考える訓練を積んでおくこと。

3.教科書

適時資料を配布します。

4.参考書

中山健夫著:「健康・医療の情報を読み解く 第2版 健康情報学への招待」、丸善出版、2014、ISBN 978-4621087329
その他にも授業で適宜紹介します。

5.成績評価方法

授業への参加状況(30%)、毎回のWeb提出課題(30%)、レポート課題(40%)の割合で評価します。各区分の詳細については授業で説明します。

6.授業の工夫している点(授業改善アンケート結果やピアレビュー結果から検討した内容等)

 毎回、Web入力からの質問を受け付け、簡単な質問ならば回答を行いより重要な質問につては新たに説明を加えました。今年度もその予定です。

7.備考(学生へのメッセージ、購入が必要な物品等)

※この科目は、実務経験のある教員による科目である。
 日本人のヘルスリテラシーは欧米に比べて低いと言われています。皆さんの多くは専門職として、ヘルスリテラシーを身に付けるだけでなく、人々のヘルスリテラシーを引き上げなければなりません。健康情報リテラシーはヘルスリテラシーの中核となるものです。健康情報リテラシーの方法論をこの科目で身に付けましょう。

ページの先頭へ

ホームへ戻る