精神保健福祉の理論と相談援助の展開Ⅱ

1.科目のねらい・目標

　精神障害者に対する個別援助、集団援助の過程と用いられる援助技術を学び、障害特性を踏まえた相談援助を理解することにより、保健・医療・福祉の包括的な支援の意義を考察する。具体的には、精神障害者の生活実態や生活課題を把握する方法や支援の考え方、支援内容・方法の検討の仕方について実践的に学ぶことで、知識、技術の習得を目指す。地域移行支援における医療機関と地域の連携や支援体制の実際や、就労支援を含めた包括的な地域生活支援の展開、そのための技術として社会資源の活用及びケアマネジメントやコミュニティワークの方法について理解する。これらを通して、包括的な地域生活支援の必要性および意義、精神障害者を取り巻く社会情勢について考察できる力を醸成する。

2.授業計画・内容・方法・準備学習等

1）  相談援助の過程①～対象者との援助関係の構築、受理面接（インテーク）、面接技術
2）  相談援助の過程②～課題分析（アセスメント）
3）  相談援助の過程③～精神障害者の支援モデルを活用した事例の見方と支援計画（プランニング）
4）  相談援助の過程④～支援実施（インターベンション）、経過観察（モニタリング）、評価
5）  相談援助の展開～支援提供の場に応じた支援内容と方法
6）  集団援助技術（グループワーク）①～展開過程の理解～
7）  集団援助技術（グループワーク）②～展開過程の理解～
8）  疾病、障害に配慮したグループ支援とグループワークを活用した支援の実際
9）  地域を基盤にした相談援助活動の実際～障害者総合支援法とケアマネジメント手法
10）地域移行支援とその課題
11）地域生活支援における包括的支援の意義と課題
12）地域を対象とした支援～社会資源の活用とコミュニティワーク
13）災害時における精神保健福祉士の役割
14）スーパービジョンとコンサルテーション
15）精神障害者を取り巻く状況への考察～社会環境と社会情勢

3.教科書

精神保健福祉士養成セミナー編集委員会編：精神保健福祉の理論と相談援助の展開Ⅱ．へるす出版，2017（ISBN 978-4-89269-908-5）　

4.参考書

現代臨床精神医学　改訂第11版．大熊輝雄．金原出版株式会社．2008．ISBN 978-4-307-15061-3

5.成績評価方法

筆記試験

6.授業の工夫している点（授業改善アンケート結果やピアレビュー結果から検討した内容等）

事例を豊富に交えて説明する。

7.備考(学生へのメッセージ、購入が必要な物品等)

※この科目は、実務経験のある教員による科目である。