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Last updated 2022/05/16

管理栄養士の進路・仕事Interview

2012年3月、栄養学科初めての卒業生が青森県立保健大学を巣立って行きました。ここでは、全国で活躍する卒業生のインタビューをご紹介します。


今回は、栄養学科 清水亮先生(臨床栄養学担当)と、病院と学校でそれぞれ管理栄養士として働く1期生2人との対談形式でお届けします。

         
 

清水)お久しぶりです。保健大を卒業して9カ月、仕事の方はどうですか?

コ岡濱谷)お久しぶりです!

濱谷)私は総合病院で管理栄養士として働いています。まだ見習い期間中ですが、病棟を回って栄養指導をまずは見学から、徐々に実践もさせてもらっています。また栄養管理の方もやっています。

コ岡)私は学校栄養士として、今は給食管理の仕事をメインにやっています。まずは前任者がやっていたことをしっかり引き継ぐことを目標にして、献立作成から発注も全部やっています。その他に、子供達の前に立って栄養指導をすることもあります。先日は全校朝会で寸劇をやりました。給食が終わった後の時間には、子供達の片づけの様子をチェックして上手に片づけができていたら褒めたり、時には指導もします。子供達とは積極的に話すようにしていますね。

清水)結構細かいところまで目配りしているのですね。濱谷さんは?患者さんと接する機会はありますか?

濱谷)最近は病棟に毎日行くようにしています。気になる患者さんはやっぱりあまり食べていない人ですね。病院では落ち着いて食べられない、食欲が出ないなど原因はいろいろです。そういう場合は無理せずに、まずは食べられそうなもの、例えばヨーグルトを付けるとか、サッパリしたものならという人にはトマトなどを増やして、まずは食べてもらうことを目指します。

清水)大学の時の授業や実習を今振り返ると、どうですか?こういうことを勉強しとけばよかったなというのはありますか?後輩たちの参考にもなると思います。

コ岡)学校で働く上で一番感じているのは、アレルギーをもつ子供がとても多いということです。給食では食物アレルギー対応をしていますが、命に関わることなので、大変です。管理栄養士の自分より保護者の方のほうが詳しかったりして、まだまだ勉強不足だなと感じます。

濱谷)病院で働いているので、臨床栄養や疾患に関する知識はもちろん活かすことができています。ただ、頭では理解していたつもりでも現場ではそうはいかない・・・例えば、この検査値だったらこういう症状が絶対出るという訳でもないし、逆に症状が出てなくても検査値的には問題ありの人もいて。教科書通りではないパターンが出てきた時の対処はとても難しいなって思います。栄養指導では、患者さんの素朴な疑問に答えられなかったのが残念で・・。教科書や指導書しか勉強していなくて、もっと人の生活に寄り添った知識が実はなかったかもしれません。これから自主的にもっと吸収したいと思います。

栄養学科 清水 亮 講師

清水)それは本学が掲げるヒューマンケアの精神に則した考えですね。でも、大学での学びと職場で必要とされている能力にちょっとギャップがあるということでしょうか。僕としてもインタビューして改めて考えさせられますね。

コ岡)それから、臨地実習はとても大切だと思います。実習の時の資料は今も活用しています。


濱谷)私はもともと行政栄養士を希望していたのですが、病院で臨地実習をさせていただいたことで、就職の希望を病院に変更しました。

清水)それは柔軟にとらえた方がいいってことだよね。それまでの固定観念ではなく、臨地実習を踏まえて総合的に就職先を考えたいい例ですね。他に、後輩達へのメッセージやアドバイスはありますか?

濱谷)まず、大学で勉強したことと働く現場のギャップの激しさがあることを強く言いたいです。学校での勉強は基礎の基礎で、働いてからそれをどう応用するかが大事。でもそれは働きながら身につけて行けばいいと思うので(実際まだ応用力は身についてないですが。笑)、大学では基礎をしっかり勉強しましょう。

コ岡)食べ物に関することに常にアンテナを張っておくことです。先日、ミカンのヘタって何個あるの?と子供に聞かれました。勉強というよりは自分も楽しんで知識を増やしておいた方がいいと思います。それから、いろんな人と話をすること。今は調理員さん、業者さん、職場や先輩栄養士の先生、保護者の方など様々な立場の人達と話す機会がありますが、敬語一つとっても難しく、話し慣れしておいた方がいいと感じます。

濱谷)確かに、いろんな人と話すのは大事ですね。4年生の時は卒業研究で研究室にこもりっきりで、自分達は先輩がいなかったし同学年の友達と先生方だけとしか接してなかったんです。でも職場では関わる人たちの年齢層が幅広く自分の立ち位置もそれぞれ変わってきます。もっと積極的に外に出ていろんな人と関わりを持った方が良かったかなとちょっと反省もしています。

清水)なるほど。在学中は基礎の学びをしっかり、特に臨地実習は大事だということ。そして就職してからはコミュニケーションの力が重要である、と。卒論に没頭する期間はもちろん必要だけど、その間にも何かしらの対外的な活動に参加したり様々な人とコミュニケーションを取れるような環境があった方がいいということですね。今日はとても参考になる話をありがとうございました。後輩に活かすように、僕ら教員も頑張っていきたいと思います。これからもよろしくお願いします。


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