令和5年度入学式式辞

 青森県立保健大学に入学された皆さま、おめでとうございます。

 本日、健康科学部新入生229名及び編入生2名の計231名、並びに大学院健康科学研究科博士前期課程生24名、博士後期課程生10名、計34名の新入生の皆さまを本学にお迎えしました。青森県立保健大学を代表して、皆さまを心より歓迎いたします。また、皆さまがこの良き日を迎えることできるよう、皆さまをサポートし、励ましてこられたご家族や関係者の皆さまに、心よりお慶びを申し上げます。

 今日から皆さまと一緒に学び、研究し、社会に向けた活動をスタートすることは、私たちにとって大きな喜びであり、これからの楽しく、そして創造的な時間のことを思うとわくわくと心が躍ります。皆さまも、これから始まる大学生活への期待に胸をふくらませておられることでしょう。今のこの気持ちを大切に、ぞれぞれの思いを是非とも実行に移してください。

 このキャンパスには、価値観や志を共有することのできる人たちが集っています。グローバルでも、日本でも、ここ青森でも、多様性を受け入れ、互いを尊重しながら、考え、行動することがさらに重要となってきています。そして、さまざまな人たちのウェルビーイング(Wellbeing)のために、私たちは何ができるのか? そのためには何を学び、研究し、行動する必要があるのかを、一人一人が、そして皆で語り合いながらじっくりと考えていきたいと思っています。私たちがこのキャンパスでともに時間を共有することの価値はここにあると感じています。

 

 学部の皆さまにおいては、これまでの高校生活や受験準備とは大きく異なる、新しい学びと学生生活に勇気を持って大きく踏み出してください。それぞれが目指す専門職となるための勉強が大学生活の中心となると思いますが、課外活動を含めて、仲間や先輩たちと刺激しあい、自らを深め、そして青森のことやそこに住む人たちのことをよりよく理解し、社会と積極的につながることができるととても素晴らしいと思います。青森県立保健大学は、皆さまのこのようなチャレンジを応援し、その結果、それぞれの自己実現につながることを期待しています。

 

 大学院の皆さまにおいては、今年度より公衆衛生学修士コースを開設し、多様な職業的背景や経験を有する方を全国からお迎えすることとなりました。遠方からオンラインを中心に受講する方も多いかと思いますが、カメラ越しのコミュニケーションの機会を大事にしながら、時にこのキャンパスにも来てください。そして、修了の際には、自ら考え、自らの手で取り組んだ研究成果をしっかりと発表し、社会に還元して下さい。そのプロセスにおいては、全国から青森にお越しいただき講義を担当して下さる先生方から多くのことを吸収するとともに、多様な仲間たちと大いにディスカッションし、刺激的な時を楽しんでください。

 

 さて、改めて、青森県立保健大学が目指すことをご紹介したいと思います。

 

 本学の基本理念には、①青森県の保健、医療及び福祉に係る諸課題の解決、②「いのち」を育んできた創造性と四季豊かな自然に恵まれた地域特性を生かした教育、③ヒューマンケアを実践できる人間性豊かな人材の育成、④地域に開かれた大学として地域社会や国際社会の発展へ貢献、ということが掲げられています。

 これらは、学部学生、大学院生、同窓生、教職員、そして私どものことを理解し、応援して下さっている地域の方々の協働によって初めて、実現することができるものです。新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大し、私たちの生活は一変しました。本学でも、多くの困難に直面しながらも、学生の皆さまと教職員の努力により、今、こうして新たなステージに立とうとしています。この辛かった3年間の経験を生かして、より創造的な活動を青森県立保健大学は進めていきたいと考えています。

 

 本学には、キャリア開発センターとヘルスプロモーション戦略研究センターという組織があり、地域で活躍する方々や同窓生などと連携・協力しながら、高度専門職の人材育成や地域の課題解決に役立つ研究を進めています。このような活動の中で、学部学生の皆さまにおいては、地域でのボランティア活動やサークル活動などを通じて、大学院生の皆さまにおいては、研究活動への参加などを通じて、私たちとともに地域に貢献していただけると、たいへん嬉しく思います。さらには、海外の大学などとの教育や研究に関わる交流も進めていく予定ですので、グローバルな視野からこれらの活動にも積極的に参加して下さい。

 

 今、世界情勢は益々混迷が深まるとともに、地球温暖化を含めた環境問題への対応も待った無しの状況となっています。世界的な気候変動の影響か、ここ青森でも桜が例年になく早く開花する予報となっています。その桜を愛でつつ、心新たに、青森での生活を幸先良くスタートしていただければと思います。海や山の素晴らしい自然を肌で感じ、美味しい食べ物を味わい、人と人とが温かくふれあうことを楽しんでください。それとともに、不透明で混沌としている世界情勢や多くの地球規模の課題にも関心をもち、「未来」のために行動する保健大学生であってほしいと考えています。皆さまの新しいキャンパスライフが実り多いものとなりますよう、教職員一同応援し、サポートして参ります。

 

 本日は、誠にご入学おめでとうございます。

 

 

 

令和5年4月6日

公立大学法人 青森県立保健大学

理事長・学長 吉池 信男

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