大学院生からのメッセージ 1

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博士前期課程 看護学分野看護基礎科学領域 2年   漆畑 里美

 私は2008年3月に本大学の学部を卒業した後、就職をせずに大学院に進学しました。進学を決めた理由は大きく分けて二つあります。一つは、学部で行った卒業研究が楽しく、研究を続けたいと思ったこと、もう一つは、自分がやりたい看護の道が不明確であったことです。研究を続けたいだけならば、臨床研究という形で就職してからも続けることはできます。しかし看護師はとても離職率の高い職業ということもあり、目標が漠然としてモチベーションの低いまま就職しても、きっとすぐにやめてしまうだろうと思いました。それならば研究を通して看護について追求し、モチベーションを高めてから就職したほうがよいだろうと考え、進学を決意しました。

 一口に看護といっても様々な領域があり、それぞれ視点や考え方は異なります。大学院には複数の領域の方たちが進学し、臨床経験がある方も多くいます。また本院にはCNSコースもあり、高度に専門的な知識や経験を持っている方々もいます。大学院の授業は各専門領域の授業だけではなく、専門支持科目では6名程度の少人数で複数の領域の院生が集まって授業を行うことも多くあります。これらの科目では他領域の専門家の考え方や判断の仕方、それぞれが経験してきた看護の現状をもとにプレゼンやディスカッションする機会も多くあり、とても刺激になります。私は臨床経験がない分知識や技術はほかの皆さんに比べるとかなり劣りますが、それをカバーしてプレゼンやディスカッションをするにはどうしたらいいのか、足りない知識はどのように補填すればいいのか、他の皆さんはどこに着目して話しているのかに留意して授業に参加しています。このような視点は、臨床現場に出たときに感じるだろう自分の力不足や未熟さへの対処法を学ぶという点でも役に立っていると思います。

 就職意識という点でも、学部生のころに比べるとかなり変化しました。院生の多くは就職経験がありますから、実際に就職してみてどの点に注意を向けたらいいのかお話を聞くこともあります。学部生のころは自分のやりたいと思う看護がわからず、「とりあえず規模や地域で選ぼうかな」「実習で楽しかった部署を希望しようかな」という曖昧な意識で就職先を探していました。今は、大学院の授業で学んだ看護組織の構造や教育のあり方を参考に、看護部の運営や教育はどのように行われているのかという点や、研究を続けられる環境として、看護研究の実績やサポートが充実しているか、それらがどのように行われているのかなど、明確な視点と意識を持って就職活動をしています。

 大学院に進学するということは、研究的な手法を身につけるというだけでなく、看護師としての視点を大きく広げるという意味でも有益であると言えます。臨床経験がないままで進学することには、授業や研究についていけるのかという不安が付きまといます。しかし経験がないからこそ、それにとらわれない視点で授業や研究に取り組むことができるともいえます。また臨床現場に出る前に、資格を持った看護師として意識的に看護の現状についてじっくり考え、目的意識を持って臨床に出られるというメリットもあると思います。また、仕事をしながら通学することには、仕事との両立という大きな不安がありますが、本学ではそのような方のために様々な取り組みもなされています。昼間に通学できない方のために夜間の講義が行われていますし、2年分のカリキュラムを3年でこなすことができるようにもなりました。入学する前に科目等履修生として事前にある程度の単位を修得し、入学後の負担を軽くする方もいます。

 もし自らのキャリアプランに悩んでいらっしゃるならば、ぜひ大学院進学を考えてみてはいかがでしょうか。