附属図書館長あいさつ

図書館の世界にようこそ

図書館長
附属図書館長 神成一哉

 

「おっ,この絵はブルージュに違いない。」

本学図書館に足を踏み入れると,カウンターの上に掲げてある絵が目に飛び込んできます。以前から気になっていたので図書館職員の方に由来を確認したところ,この絵は平成24年(2012年)3月まで本学栄養学科教授を務められた松江一先生の奥様,明子夫人作の油絵(平成21年度第51回青森県美術展覧会入選作品「水辺(ブルージュ)」)を寄贈いただいたものだそうです。

この絵を見るたびに,私がスイス留学中に旅行で訪れたブルージュのイメージがよみがえってきます。30年ほど前のことになってしまいましたが,ブルージュは印象に強く残っている町のひとつです。その美しく静謐な佇まいは図書館の雰囲気にマッチしていて,この場にふさわしい絵だといつも思います。図書館を訪れた際はぜひカウンターの上の絵にも少し目を向けてみてください。

図書館長挨拶_ブルージュの風景1 図書館長挨拶_ブルージュの風景2

ベルギー北部にあるブルージュ (Bruges)は小さな町ですが,運河沿いの旧市街は大変美しいです。1990年4月7日撮影。

 

図書館の歴史はヨーロッパにおける大学の形成や発展,さらには修道院などと密接に結びついています。そのためヨーロッパには古い歴史を持つ美しい図書館が数多くあります。ここに私が訪問し,撮影した図書館のいくつかをご紹介しておきます。

図書館長挨拶_ストラホフ修道院の図書館1 図書館長挨拶_ストラホフ修道院の図書館2

チェコのプラハにあるストラホフ修道院の図書館。「哲学の間」(左)と「神学の間」(右)。写真撮影のみ可能で,残念ながら内部には立ち入りできません。2012年6月11日撮影。

 

 

図書館長挨拶_アムステルダム国立美術館のカイパース図書館

アムステルダム国立美術館の中にある,カイパース図書館。オランダで最も美術史の本がある図書館だそうです。二階からのみ写真撮影可能です。
2017年6月15日撮影。

 

さて,学生の皆さんは大学生になる前にも学校や町の図書館を利用されたことがあるはずですが,大学の図書館に入ると,これまで知っている図書館とは何か違う厳粛さ,あるいは威厳のようなものが感じられるのではないでしょうか。大学の図書館は,単に本がたくさんあって自由に読める場所,あるいは静かに勉強する場所といった機能だけではない,重要な役割を担っているからです。それは一言でいえば大学における知の総合拠点としての役割です。具体的には,学生や教員が学習,教育,及び研究活動を行う上で必要な学術情報を提供する場であるということです。本学では健康,保健,医療,福祉に関する専門雑誌や専門書を中心に多数の資料をそろえており,日々学生,教員に利用していただいています。

 

知の総合拠点としての大学図書館の基本的役割は今も昔も変わらないとはいえ,情報の電子化,ネットワーク化の流れに合わせ,図書館も大きく変貌してきています。本学図書館においても,視聴覚資料の増加,電子ジャーナルの増加,オンライン検索の導入,パソコンの整備など,電子化の波は留まるところがなく,今後もこの流れは加速していくものと思います。また,図書館にはさらなる情報集約,地域社会への貢献や情報公開なども要求されています。そのひとつの形態として,図書館を書籍にとどまらず情報関連の総合的拠点として整備する,いわゆる「メディアセンター」化という考え方があり,一部の大学では実践されています。本学においても,その方向性の検討を始めているところです。

 

一方現実に目を向けると,限られた予算の中で何がどこまでできるかという問題も立ちはだかっています。電子化,ネットワーク化に要する整備費用だけでなく,例えば電子ジャーナルの年々の高騰は学術の発展を妨げるものとして世界的問題にもなっています。大学としては費用と効果を勘案しながら図書館を整備していく必要があります。図書館を利用される皆様には,大学および図書館のスタッフが,より充実した使いやすい図書館となるよう苦心しながら図書館を運営していることを頭の片隅に置いていただけたら幸いです。

ページの先頭へ

ホームへ戻る