教育と人間

健康科学部4学科共通

授業科目 教育と人間
科目概要・形式 2単位30時間、選択 配当年次 1年後期
科目責任者 浅田 豊
担当者 浅田 豊、廣森直子

1.科目のねらい・目標

 ヒューマンケアの専門家として卒後、保健医療福祉栄養の臨床業務に携わる皆さんは、高度な専門性(知識・技術・態度)や豊かな人間性などに加えて、自分の行なった援助を医療チームメンバーに的確に伝達することや、後輩や学生(実習生)への臨床実践指導、患者や一般市民に対する健康教育といった側面、つまり「対象の成長や健康の保持増進等をめざした教育的関わり」や、「生涯を通じて自己教育・学習を推進する能力」が将来求められます。
 このような問題意識から本科目では、教育原理や生涯学習論等の教育学諸理論を基盤としつつ、ケアを通して共に学びあい、共に成長しあうことの理解に資する「教育の意義と目的」や、「人間の発達において教育が果たす役割」、「主体的な学びのあり方」、「アンドラゴジー理論」等のテーマを、課題として学びます。つまり、こういった諸課題について、看護・理学療法・社会福祉・栄養の専門性と有機的に結び付けながら、考察できることを目標とします。また、本授業では、発表やエクササイズ、ディスカッションなどを履修状況に応じて適度に取り入れながら、参加型・双方向的な授業を心がけますので、「教育表現能力(文章表現や討論を含む日本語表現能力)」の向上も期待されます。

2.授業計画・内容

Ⅰ 人間の成長・発達と教育―人間にとっての「教育の本質」を探る―
 1 成長・発達の可能性を秘めた人間という存在
  2 人間社会と教育―「教育とは何か」の考察―
  3 教育の役割と目的―文化の継承と創造、人材の育成―
Ⅱ 子どもを取り巻く教育環境の変化
  1 現代の学校教育と子育て・教育問題を読み解くための基本的視点
 2 青少年問題の現状と青少年の健全育成を図る上での政策課題
 3 教育・学習支援者(教師、ファシリテーターなど)に求められる資質・力量
Ⅲ 教育活動の展開・教育方法の選定・教育評価の実施
 1 ①教育課程のあり方、②教育計画の立案、③教育内容の選択(精選)と組織(体系)化、
  2 ①授業設計の方法、②学習指導の方法、③生活指導の方法
 3 ①ポートフォリオと自己目標管理、②教育評価の方法とその用い方
Ⅳ 人間の発達と生涯学習
 1 人間の自己実現の観点から見た生涯学習論
 2 成人の特性(学習者の自己主導性、内発的動機、豊富な経験、焦点化された学習ニーズ、相互学
習資源性など)を生かしたアンドラゴジーの理論と実践
 3 自己教育・学習能力の育成
Ⅴ 現代日本の教育課題と将来計画
 1 家庭教育の意義と役割
 2 地域間・世代間の交流と、家庭・学校・地域社会が連携した子育て・教育のあり方
 3 新しい学力観と今日の教育改革―主体的学習者の育成―
*今年度の担当分担 浅田:Ⅰ-1~Ⅳ-1、Ⅳ-3~Ⅴ-3。 廣森:Ⅳ-2。
※(授業は上記の内容を含みますが、本年度の実質時間数の状況等により若干の加除修正はありえます)

3.教科書

テキストは特に指定しませんが、各回のオリジナル教材や資料、参考文献一覧などによって、学びを
支援していきます。

4.参考書

鈴木正幸編『看護のための教育学』メヂカルフレンド社、1993年。その他、各回のテーマに応じて、
適宜紹介します。

5.成績評価方法

最終レポート(70%)、授業への参加度(30%)による評価とします。

6.授業の工夫している点(授業改善アンケート結果やピアレビュー結果から検討した内容等)

授業評価に基づくコメント等:一定の満足度が得られています。質問への対応や各学生の自己学習の促進を含み、さらに、授業の質の向上に向けた工夫・改善に努めたいと考える。また、教材研究は一層進めていきたいと思う。

7.備考(学生へのメッセージ、学生購入物品など)

双方向的な授業を心がけるという意味で楽しい授業です。アクティブな学習の支援を進めます。また、専門職としての連携・協調の基盤となる「人間形成」の在り方を十分に学べるような授業設計をしています。さらに、本学の教育理念の柱の一つである「豊かな人間性の涵養」、に関する主体的考察に大変役に立つコースです。【DVD教材有り、他大学との単位互換実績科目 】

ページの先頭へ

ホームへ戻る