思想と歴史

健康科学部4学科共通

授業科目 思想と歴史
科目概要・形式 2単位、30時間、選択 配当年次 2年 後期
科目責任者 羽入辰郎 担当者 羽入辰郎

1.科目のねらい・目標

 大昔の人間が考えたこと(思想)を勉強する必要なんて、一体どこにあるのでしょうか?その答えは、科学技術は進歩したが、人間は全然進歩していない、ということにあります。要するに、人間そのものは全然進歩していないから、大昔の人が考えた人間洞察がいまだに通用してしまうということです。これはある意味では情けないことです。しかし、これが事実です。本講義では、大昔の人が考えたことであるにもかかわらず、現代でも通用してしまうもの、現代の問題点をむしろより的確に捉えているものに的を絞り、大昔の思想と現代の問題とを絡ませるという複眼的思考を試みます。えっ、こんなことをこんな昔の人がとっくの昔に言っていたの?と諸君を驚かす講義を目指します。

2.授業計画・内容

(1)なぜ勉強は必要なのか?(第1回)

(2)プラトン―優生思想の先駆(第2・3・4回。履修者の人数によりますが、可能であれば二手に分けて、討論を行います)


(3)プラトン―ヒトラーの台頭の予言(第5・6・7回。ヒトラーの台頭、及び、アウシュヴィッツ絶滅収容所のビデオの視聴を含む)

(4)デカルトの「我思う、故に我有り」―既成の学問の極めて効果的全否定(第8・9回)

(5)デカルトの誤魔化し―他存在の証明困難(第10回)

(6)他者の存在証明のアポリア―シュッツ、ハイデガー、サルトル(第11・12・13・14回)

(7)結論、レポートについて、および授業評価(第15回)

3.教科書

なし。資料をその都度配布して授業を行っていきます。

4.参考書

 清水書院から『人と思想』シリーズで、上記の思想家について、その生涯も含めて分かりやすく書かれたものが出ています。これが格好の入門書になると思います。

5.成績評価方法

出席30%、レポート70%。

6.授業の工夫している点(授業改善アンケート結果やピアレビュー結果から検討した内容等)

「○○さん、これどう思う?」と一人一人に当てながら授業を進めていきます。そのためか、受け身の授業でなく、授業に積極的に参加することが出来た、という評価は毎回頂いています。また、アウシュヴィッツ絶滅収容所のビデオは、話には聞いていた学生でも、相当強烈な印象を受けるらしく、ここまでとは知らなかった、見て良かった、という感想が多いです。授業評価から見る限り、知的な刺激は相当に与えているようです。 

7.備考(学生へのメッセージ、学生購入物品など)

 レポートを怖がらないで下さい。書きやすいよう、こちらからもテーマ例を十以上出します。もちろん、講義に関係すれば、自由テーマでも構いません。どうしても書けない場合のために、「書けない理由を書いてみよ」という奇妙なテーマも用意されています。大丈夫、書けます。

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