人間と文学

健康科学部4学科共通

授業科目 人間と文学
科目概要・形式 1単位 30時間 選択 配当年次 2年 後期
科目責任者 小山内豊彦 担当者 小山内豊彦

1.科目のねらい・目標

文学の由って来る所以は、「死を意識しうるのは人間だけである」ということに尽きるのではないか。より具体には、「男と女」という性別を縦軸とし、そして「誕生→成長→成熟→老化→死」というプロセスを横軸とする”座標空間”における人間固有の感情の発露、と言えるであろう。その”発露”の形態としては、小説、詩歌、戯曲、随筆等が挙げられるが、本講義においては、日本文学の大きな流れに沿いながら、主として和歌(短歌)・俳句等の短詩型文学を取り上げ、解説する。併せて、郷土の作家太宰治の作品を通じて人間の「哀しみ」と「ふるさとへの思い」を共感してみたい。

2.授業計画・内容

 まず、人間に避けられない「生と死」の問題についての意識を深めた上で、古事記・日本書紀以来の日本文学の流れを概説する。その後、短詩型文学の代表例として和歌(短歌)と俳句について具体の作品を取り上げながら、その本質を理解していく。特に俳句においては、”模擬句会”を開催し、俳句の面白さ、奥深さを体験してもらうこととする。後半は太宰治の作品『津軽』を共に読み込んでいく。

第1回  文学とは その1      人間の生と死について
第2回  文学とは その2      愛、宗教、言語について
第3回  日本文学の流れ その1  古代~江戸時代
第4回  日本文学の流れ その2  明治時代~現代
第5回  詩歌 その1         和歌(短歌)(1) 百人一首等の古典の鑑賞
第6回  詩歌 その2         和歌(短歌)(2) 与謝野晶子、俵万智等現代の作品の鑑賞
第7回  詩歌 その3         俳句(1) 俳句とは何か
第8回  詩歌 その4         俳句(2) 俳句の特質について
第9回  詩歌 その5         俳句(3) 松尾芭蕉、与謝蕪村等江戸時代の作品の鑑賞
第10回 詩歌 その6         俳句(4) 正岡子規、山口誓子等現代の作品の鑑賞
第11回 小説 その1         太宰治の作品と生涯について
第12回 小説 その2         太宰治『津軽』の読み込み(1)
第13回 小説 その3         太宰治『津軽』の読み込み(2)
第14回 詩歌 その7         俳句(5) 模擬句会の開催

3.教科書

第1回~第10回、及び第14回   プリントの配布
第11回~第13回           太宰治『津軽』(新潮文庫)

4.参考書

特に指定しない

5.成績評価方法

レポートにより評価する

6.授業の工夫している点(授業改善アンケート結果やピアレビュー結果から検討した内容等)

座学だけではなく、実際に俳句という文学作品をつくってみて、生の文学体験をしてもらう。

7.備考(学生へのメッセージ、学生購入物品など)

何故「人間と文学」なのか? 「犬と文学」という概念は成立しうるのか? 作品を通じて一緒に考えていきましょう。

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