看護倫理学

健康科学部 看護学科

授業科目 看護倫理学
科目概要・形式 1単位・15時間 必修 配当年次 3年 後期
科目責任者 福井幸子 担当者 福井幸子 小林昭子 大西基喜 

 

1.科目のねらい・目標

1.看護を行う上で看護者に必要な規範について説明できる。
2.医療の場における倫理的問題を論理的に説明できる。
3.倫理的問題の分析と倫理的意思決定の方法について説明できる。
4.医療を受ける患者の思いを理解し、チーム医療に必要な倫理的配慮と看護師の役割について考えることができる。
5.事例検討を通して倫理的感受性を高め、問題解決の取り組みを通してより良い看護について考えることができる。


2.授業計画・内容

1回目 看護倫理の基礎的知識(福井、小林)
      規範である法と道徳・倫理、現代医療における倫理的問題、患者の権利、看護師の倫理綱領 
2回目 患者が医療従事者に求める倫理的配慮(ゲストスピーカー)
      患者の人権、医療従事者の倫理的配慮の在り方
3回目 倫理原則と看護実践上の倫理的概念、チーム医療における倫理的行動(福井)
      生命倫理・看護倫理の原則、ケアリング・アドボカシー・協力・責務、
      看護職間・医師・他医療従事者との協力・協働
4回目 患者・医療者関係の倫理的側面(大西)
      医の倫理、インフォームドコンセント、パターナリズムと自律尊重
5回目 看護師が直面する倫理的問題と解決方法(福井)
      倫理的(道徳的)不確かさ・ジレンマ・苦悩、倫理的意思決定のための分析
6回目 事例分析(福井、小林)
      事例にある倫理的問題を明確にし、看護についてグループワークする。
7,8回目事例検討会(福井、小林)
      発表・意見交換
             
*スケジュール等の都合により、順番が前後する場合があります

3.教科書

1)茂野香おる:系統看護学講座、専門1、基礎看護学1、看護学概論、第15版、医学書院、2015、ISBN978-4-260-01362-8(1年次購入).
2)日本看護協会出版会:看護者の基本的責務,2016、ISBN978-4-8180-1932-4.

4.参考書

1)フライST,ジョンストンMJ/片田範子,山本あい子(訳):看護実践の倫理,第3版,日本 看護協会出版会,2010, ISBN978-4-8180-1512-8
他、授業時に紹介する。

5.成績評価方法

レポート(30%)、試験(70%)

6.授業の工夫している点(授業改善アンケート結果やピアレビュー結果から検討した内容等)

看護倫理は難しいという意見がありましたが、患者に関心を寄せ、何が最も良い看護なのかを考え努力すること自体が既に倫理的な行いと言えます。しかし、問題に気づき、看護について考えても、それを言語化し意見交換できないと倫理的感受性は高まりません。臨床事例を交えて理解が深まるような授業構成・内容となるよう努力していきますが、学生皆さんにも積極的に意見交換することを期待します。

7.備考(学生へのメッセージ、学生購入物品など)

臨地実習の看護場面で、「これで良いのか、何か変だ、すっきりしない」という学生の声を聞くことがあります。これは非日常である医療場面であるからこそ強く感じられるのであり、看護をするうえで大切な感性だと思います。日常においても倫理的問題が発生しており、それを問題と認識できているかは個人の倫理観によって異なると思います。学習者として、また教育を受けるものとして、個人の尊厳やプライバシーの侵害、著作権を侵害するような行為をしていないか考えて日頃から自身の倫理観を養い、正しい行動をとることで看護倫理につなげていきましょう。

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