コンプリメンタリーセラピー

1.科目のねらい・目標

１　科目のねらい・目標
　今日の高度医療技術への期待と共に補完・代替療法が見直されてきている。そこには、人間を精神・身体・霊性の総合体であり、ホリスティックに生命活動を展開している存在としてとらえなおし、内なる治癒力を高めようとするダイナミックなアプローチへの期待がある。
　ここでは、ホリスティックアプローチの原点になっている伝統医学の培ってきた英知と現代医学の成果とを統合的に、そして今日の国内外をも含めてコンプリメンタリーセラピーの流れを概観する。その中から、看護介入として有効な幾つかの技法について基礎理論を理解し、基本手技を実技体験する。

2.授業計画・内容

　人々の苦痛を取り除き、少しでも楽に過ごせるために看護の技がどのように役立つかを考えながら、次の内容を講義・演習する。

１回目：コンプリメンタリーセラピー(Complimentary Alternative Medicine:CAM)総論：からだ（生命体）の見方、
CAMの知恵、ホリスティックナーシング、環境とのつながり、CAMの一般的利用方法、看護場面での活用など
２回目：伝統医学の体の見かた：中国伝統医学、インド医学、チベット伝統医学、生態系を視野にいれたからだ
　　　　　　　　　のとらえ方　など
３回目：リラクゼーション理論と実践：ストレスと体の関係、リラクゼーションの意味、方法の種類・効果、臨床での
　　　　　　　　　方法
４－５回目：【演習１】
　　　　　　　　1）症状マネージメントとしてのリンパドレナージ：がん患者、緩和期にある患者への応用
　　　　　　　　　　　　　リンパドレナージの基礎理論の知識を学び、基本手技を体験する
　　　　　　　　2）漸進的筋弛緩法　　
６－７回目：【演習２】看護におけるマッサージ・指圧理論
　　　　　　　　　　　　　マッサージ・指圧の基本手技、指圧の臨床症状への応用

＊講義と演習の順番が変更になる場合があります。
　　　　　　　　　

3.教科書

4.参考書

1.寺澤捷年、津田昌樹：絵で見る指圧・マッサージ手技、JJNブックス、医学書院、2003.ISBN4-260-33205-8
2.加藤逸夫、佐藤佳代子：リンパ浮腫治療のセルフケア、文光堂、2006.ISBN4-8306-4330-7
3.荒川唱子、小板橋喜久代編：看護に活かすリラクゼーション技法-ホリスティックアプローチ-、医学書院、2001.ISBN4-260-33149-3
4.池川清子、江川幸二：ナースのための補完・代替療法ガイドブック、メディカ出版、2005. ISBN4-8404-1349-5

5.成績評価方法

筆記試験を行う。

6.授業の工夫している点（授業改善アンケート結果やピアレビュー結果から検討した内容等）

授業評価は4.6-4.9であった。理論を基に実践に即したケアを体験できるよう工夫している。

7.備考(学生へのメッセージ、学生購入物品など)

演習は、Tシャツ・ジャージーで参加してください。バスタオル1枚持参。