障害者福祉論

1.科目のねらい・目標

［科目のねらい］
近年、地域移行や自立生活および就労支援、障害者自立支援法制定および廃止、2013年4月より施行された障害者総合支援法の制定など、障害者を取り巻く状況は目まぐるしく変化している。
一方、脱施設化や地域移行の中で、障害者に対する新しい価値規範も登場してきている。
本講義では、制度改革や障害者に対する価値規範を社会情勢を踏まえながら、障害者の生活実態の理解を深めることを目的とする。

［授業修了時の達成課題（到達目標）］
障害者福祉の現状を把握しつつ、障害児・者および家族のニーズをどのように捉え、知識を活かしていくかということを、理解のみならず、各自が自らの問題として捉えて考えていくことを目標とする。

2.授業計画・内容

　障害者の地域生活支援を軸として、それらを取り巻く近年の改革までに至る歴史や現状、制度を学ぶことにより、体系的に障害者福祉の理解をはかる。
(前期)
1． オリエンテーション　障害の理解
2． ノーマライゼーションの理念と現状
3．障害について考える‐QOLと自立生活について‐
4．障害者の法的定義と手帳制度
5．障害者の雇用制度と実態
6．近年の障害児教育の動向
7．日本の障害者の歴史1　戦前編と戦後の混乱期
8．日本の障害者の歴史2　高度経済成長期
9．日本の障害者の歴史3　1970年代から国際障害者年まで
10．日本の障害者の歴史4 国際障害者年以降の変化
11．日本の障害者の歴史5 国際障害者年以降から1990年代まで
12．日本の障害者の歴史6 社会福祉基礎構造改革から近年まで
13．海外の障害者福祉の動向
14．.障害当事者の想いを知る　当事者活動の紹介
15．前期のまとめ

(後期)
1．前期試験の解説
2．社会福祉基礎構造改革のねらいとその内容
3．支援費制度
4．障害者自立支援制度1 支援費制度から自立支援法への経緯
5．障害者自立支援制度2 サービス利用の流れ
6．障害者自立支援制度3 自立支援給付について その1
7．障害者自立支援制度4 自立支援給付について その2
8．障害者自立支援制度5 自立支援医療費について
9．障害者自立支援制度6 地域生活支援事業
10．障害者自立支援制度7 苦情解決の仕組み
11．障害者自立支援制度8 障害児に対する支援
12．障害者自立支援制度9 協議会の役割と課題
13．障害者自立支援法廃案から障害者総合支援法制定までの動向
14．.障害者の地域生活の現状と課題
15．後期のまとめ

3.教科書

新・社会福祉士養成講座14『障害者に対する支援と障害者自立支援制度』
中央法規  ISBN 978-4-8058-5107-4
最新版を使用する。

4.参考書

講義の中で適宜紹介する

5.成績評価方法

定期試験70%、通常点(授業への参加度および小レポート) 30%

6.授業の工夫している点（授業改善アンケート結果やピアレビュー結果から検討した内容等）

昨年度の授業評価を参考にしながら、毎回、前回の復習を行うことで、知識の定着をはかる。また、国家試験受験対策や近年の動向を織り交ぜることによって、学生が知識を体系的に身につけるとともに、興味・関心をもって主体的に授業に参加できるよう、工夫をする。

7.備考(学生へのメッセージ、学生購入物品など)

受け身的に講義に臨むのではなく、積極的な姿勢の参加を期待する。