社会保障論

1.科目のねらい・目標

本講義の目的は、今日の貧困をめぐる実態と社会保障の果たす役割を学ぶことである。社会保障は資本主義が構造的に生み出す貧困問題に対して、国家が国民に生活保障することを求められ生成してきた。そのため、市場とは異なる基本原理で運用されている。具体的には、医療保険、年金保険、介護保険、労働保険、社会福祉サービス、公的扶助などがある。社会保障は個別の制度を理解しながら、国民生活と社会経済を視野に入れて捉える必要がある。本講義では各制度の現状と課題を学びながら、今後の社会保障のあり方を考えることができるようにする。

2.授業計画・内容

○前期
第1回　　貧困の深刻化と社会保障
第2回  　社会保障制度が必要な理由
第3回　　社会保障の生成過程（1）
第4回　　社会保障の生成過程（2）
第5回　　社会保障の構造（1）
第6回　　社会保障の構造（2）
第7回　　労働保険制度の概要
第8回　　労働保険制度の現状と課題
第9回　　年金保険制度の概要
第10回　 年金保険制度の現状と課題
第11回 　医療保険制度の概要
第12回　 医療保険制度の現状と課題
第13回 　介護保険制度の概要
第14回 　介護保険制度の現状と課題
第15回 　前期のふりかえり
前期試験

○後期
第16回 　社会福祉制度の概要（1）
第17回 　社会福祉制度の概要（2）
第18回 　社会福祉制度の現状と課題（1）
第19回 　社会福祉制度の現状と課題（2）
第20回 　社会保障と民間保険の果たす役割
第21回 　社会保障の財源と費用（1）
第22回 　社会保障の財源と費用（2）
第23回 　社会保障政策をめぐる論点（1）
第24回 　社会保障政策をめぐる論点（2）
第25回 　社会保障が当面する課題
第26回 　諸外国における社会保障（1）
第27回 　諸外国における社会保障（2）
第28回　 社会保障研究に関する動向（1）
第29回 　社会保障研究に関する動向（2）
第30回 　後期のふりかえり
後期試験

3.教科書

社会福祉士養成講座編集委員会編『社会保障（第5版）』中央法規、2016年、ISBN 978-4-8058-5300-9

4.参考書

唐鎌直義『脱貧困の社会保障』旬報社、2012年、ISBN 978‐4‐8451‐1266‐1。
矢嶋里絵・田中明彦・石田道彦・高田清恵・鈴木靜編『人権としての社会保障-人間の尊厳と住み続ける権利』法律文化社、2013年、ISBN 978‐4‐589‐03530‐1。
横山壽一『社会保障の再構築-市場化から共同化へ-』新日本出版社、2009年、ISBN 978‐4‐406‐05226‐9。

5.成績評価方法

期末試験または期末レポート 80%　※試験かレポートかは講義中に指示する。
講義時の小レポート 20%

6.授業の工夫している点（授業改善アンケート結果やピアレビュー結果から検討した内容等）

アンケート結果に基づき、授業方法を改善するように努める。

7.備考(学生へのメッセージ、学生購入物品など)

必要なことは講義中に指示する。