生化学実験Ⅱ

健康科学部 栄養学科

授業科目 生化学実験Ⅱ
科目概要・形式 1単位・45時間 必修 配当年次 2年 後期
科目責任者 佐藤 伸 担当者 佐藤 伸

1.科目のねらい・目標

 生体は、臓器や組織中のタンパク質、核酸、糖、脂質などが相互に関連し、物質の生合成・分解やエネルギーの産生・消費などの反応を通して恒常性を維持している。本授業では、生化学実験Ⅰに引き続き、生体内のタンパク質や酵素、並びに糖代謝を中心に生体内で起こる反応について実験を通して学ぶ。特に、本授業では病態モデル動物(肝障害や糖尿病)を用いて、その血漿・血清成分や尿成分の分析を行い、臨床検査値の意義および測定手法・原理についても生化学的な観点から理解を深める。また、食肉中のDNA分析を行い食品の鑑別について学ぶとともに、核酸や遺伝子工学の基礎を理解する。

2.授業計画・内容

第1回 ポリメラーゼ連鎖反応(Polymerase chain re action; PCR)を利用した食肉中のDNA分析(1)
  ・食肉からのDNAの分離ならびにDNAの定量・純度の検定
第2回 ポリメラーゼ連鎖反応(Polymerase chain re action; PCR)を利用した食肉中のDNA分析(2)
  ・PCRによるDNAの増幅、アガロース電気泳動法によるPCR産物の分離と解析
第3回 糖尿病における血糖の変化(糖尿病モデル動物を用いた実験)
  ・尿試験紙による尿検査
  ・経口糖負荷試験(血糖値の定量)
   なお、動物飼育実験に関するガイダンス(動物実験に関する倫理規定を含む)も行う。
第4回 血清中の酵素およびタンパク質の測定
  ・アミノ基転移酵素:血清AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)および血清ALT(アラニンアミノトランスフェ
   ラーゼ)の測定
  ・セルロースアセテート膜電気泳動法(血清中のアルブミンやグロブリンの検出)
第5回 電気泳動法によるタンパク質の分離(1)
  ・試料の調製(臓器のホモジネイト中のタンパク質濃度の測定を含む)
第6回 電気泳動法によるタンパク質の分離(2)
  ・SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動法と解析

3.教科書

「はじめてみよう 生化学実験」山本 克博 編 三共出版 ISBN978-4-7827-0555-1 (2年次前期購入済み) 随時、プリント(実験プロトコール)を配布します。

4.参考書

「実験で学ぶ生化学」D.T.P. Plummer 著 化学同人 ISBN4-7598-0084-0

5.成績評価方法

実験レポート提出(70%)、授業への参加度(30%)。
実験は班単位で行うことが多いが、実験レポートは個人で作成し、期限内に提出して下さい。

6.授業の工夫している点(授業改善アンケート結果やピアレビュー結果から検討した内容等)

・生化学実験Ⅰに引き続き、実験の流れがイメージしやすいように、個々の実験手法を十分に理解できるように工夫します。
・実験を通して、授業で学んだ知識を確認し、さらに深めます。

7.備考(学生へのメッセージ、学生購入物品など)

授業前に、必ず、「実験プロトコール」を読んで予習して下さい。
・白衣を持参して下さい。
・実験の項目によっては、時間内に終了しないこともあるので、授業日の各自の予定には留意して下さい。
・疑問点や理解できないことは遠慮せずに質問してください。また、積極的な態度で自主的に実験に取り組むことを望みます。

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