令和4年度入学式式辞

令和4年度入学式式辞

健康科学部新入生225名及び編入生2名の計227名、並びに大学院健康科学研究科博士前期課程生14名、博士後期課程生6名、計247名の新入生の皆さま、ご入学おめでとうございます。 青森県立保健大学を代表して、皆さまを心より歓迎いたします。

 

また、皆さまがこの良き日を迎えることできるよう、皆さまを支え、励ましてこられたご両親、ご家族、関係の皆さまにも、心よりお喜び申し上げます。

 

皆さまや周囲の方々が過ごされてきたこの2年間ほどは、それまでまったく予期しなかった新型コロナウイルス感染症の世界的拡大により、私たちの日常や社会そのものが大きく変わってしまいました。一人一人にとっても、周囲に人たちにとっても、また組織や社会にとっても大きな試練の時が今も続いています。しかし、そのような困難を乗り越えながら、今、私たちがこのキャンパスで新たな出会いを得て、これから共に学んでいくスタート地点に立てたことは誠に大きな喜びです。

 

一方、私たちはこの2年間で学んだことも多くあります。困難な状況、そして未知で予測し難い状況にあっても、「答えの無い」問いに真剣に向き合い、一つ一つのことを乗り越え、さらに新たな発展に繋げようとした経験は、つらい中にあっても、皆さま自身そして私たち大学にとっても大きな糧になったと思います。皆さまそして私たちは、主に「対人援助職」として人々に寄り添い、その人たちや人々が住まう地域の状況やニーズを理解し、専門的な知識やスキルを基盤として、それぞれの生活や健康の「未来」のために働く役割を担っています。それぞれの専門職の基礎となる知識やスキルは、これまでの過去の経験や研究によって得られた知見を基に整理され、教科書や授業・実習などを通じてこれから学んでいきます。しかし、未知のそして変異を繰り返すウイルスを相手に、全人類の叡智をもっても「正解」がみえない、「未来」が予測できない状況の中で、ベストは分からないけれども、ベターと思われる選択肢を、私たちはこれまで探ってきました。

 

このような状況、経験は、大学での学びや研究にも深く通じるものです。

 

これまでは、高校までの学びや大学受験の準備の中で、多くの場合正答が用意された問いに対して答えるという「ドリル」、すなわち基礎練習を繰り返してきたことと思います。大学での学びでも、このような基礎練習は大事ですが、さらに自らあるいは社会が置かれた新たな状況に対して、それそれの問題を解決するような応用練習が求められます。そこには当然「答えの無い」ものもあり、さらにそれまで誰も発見し、発表したことのない「答え」を探求するため、研究が必要となるかもしれません。新型コロナウイルス感染症との戦いにおいても、日々、世界中で膨大な研究がなされ、その成果が応用されてきました。新たな技術により開発されたワクチンなどはその最たる例で、私たちも多大な恩恵を受けています。

 

大学あるいは大学院に進学した節目に、このようなことを立ち止まって考えることも大事だと思い、今、お話しています。一方、新たな技術の応用という意味では、オンラインによる「非対面」によるコミュニケーションが、新たな日常となりました。一方、人と人とのつながり、直接的なふれあい、非言語的な表現、対話という、人がそして社会が最も大事にすべきことも、少しずつ取り戻していきたいと考えています。幸い、本学では、過去2年余の間、適切な感染症対策をとりながら、学部においてはほとんどの学内授業を対面で行うことができました。サークル活動等については残念ながら制限をせざるを得ないことも多くあり、授業以外の大事な交流・体験の機会が失われたことについては、たいへん心苦しく思っています。今年度も皆さまには、感染症対策上引き続きお願いすることも多くなるとは思いますが、皆でこのキャンパスでの学びを守っていただければ幸いです。

 

ここ青森は、長い冬を経ていよいよ、さわやかな春を迎えます。山や海の美しい自然にふれ、美味しい食べ物を味わい、人と人とが温かくふれあうことを楽しみながら、皆さまの新しいキャンパスライフが実り多いものとなりますよう、教職員一同応援し、サポートして参ります。そして、本学のこと、青森のことを、そして皆さまの毎日の生活を益々好きになり、そして楽しんでいただきたいと思っています。それとともに、不透明で混沌としている世界情勢や多くの地球規模の課題にも関心をもち、「未来」のために行動する保健大学生であってほしいと考えています。

 

令和4年4月5日

青森県立保健大学長 吉池信男

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