AJHW抄録

https://doi.org/10.24552/00002148 ©青森県立保健大学

 

切迫早産で入院経験がある初妊婦の親としての思い

 

宮口和子

青森県立中央病院看護部

抄 録 

〔目的〕 切迫早産妊婦の親役割取得過程支援の検討を目的として,親としての思いを明らかにすることである。

 

〔方法〕 切迫早産で入院し退院した妊娠34週以降の初妊婦を対象に半構成的面接を行い,質的帰納的に分析 を行った。

 

〔結果〕 研究参加者 3 名の語りを帰納的に分析した結果カテゴリーは10となり,【予期せず切迫早産が起き たことで子どもを失うかもしれないことに不安になる】【子どもを守るために切迫早産の症状のわからなさ に悩み模索する】【親として一番良いことは医療者の言う通りにしておくことであると信じる】【入院生活は つらいけど親としてできることだから向き合うしかない】【安静にすることは親の役目と考え自分の頑張り を信じる】【妊娠37週まで子どもをお腹にいれておきたい】【先のことや悪いことを考えずに過ごす】【自分 のつらさを通して母親の大変さを実感する】【切迫早産になったことで子どもに十分なことをしてあげられ なくなり申し訳ない】【家族に感謝しつつ負担をかけて申し訳ない】であった。

 

〔結論〕 切迫早産妊婦には,早産によって子どもを失うかもしれない不安や子どもに対して親の役割を十分 に果たせていない思いがあった。一方で自分のストレスや要望よりも子どもの救命を最優先と考え,妊娠継 続するために妊娠37週まで子どもと頑張りたい思いがあった。切迫早産妊婦の子どもを守りたいという思い が親としての成長を後押ししていると考えられた。

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