AJHW抄録(日本語版)

https://doi.org/10.24552/00002149 ©青森県立保健大学

 

大学生を対象としたカードを用いた信頼区間の学習の可能性

小山達也

青森県立保健大学健康科学部栄養学科

抄 録

 

〔目的〕 近年,科学的根拠に基づいた栄養学の実践が求められている。科学的根拠を理解するためには推測

統計の知識が必要である。信頼区間の理解のために実施した,カードを用いたシミュレーション教育につい

て報告する。

 

〔方法〕 2019年1 月に大学3 年生23名を対象に実施した。1 ~ 9 までの数字が書かれたカード2 枚ずつ計18枚を用意し,この18枚のカードを母集団とみなし,母集団から無作為に4 枚のカードを抽出させた。引いた4 枚のカードが,母集団から無作為抽出された標本に相当することを説明した。カードを引くごとに平均値および95%信頼区間を計算した。この手順について,カードを引く学生と引かれる学生を順次交代し100回実施した。100回の95%信頼区間をグラフ表示し,100個の95%信頼区間のうち,95回は母平均を含み, 5 回は母平均を含まないことを視覚的に理解できるようにした。

 

〔結果〕 今回の試行では,95回が母平均を含み, 5 回が母平均を含まない結果となった。各回の結果が表示されるようにグラフを作成することで, 1 回ごとの95%信頼区間は母平均を含むか含まないかのいずれかであり,100回を通して考えたとき95回は母平均を含んでいることが視覚的に理解できるようにした。

 

〔結論〕 本シミュレーション教育は,学生の95%信頼区間の理解が高まる教材となる可能性がある。

 

《キーワード》統計教育,推定,信頼区間

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