ベトナム共和国 ナムディン看護大学との交流

ナムディン看護大学・国立栄養研究所と青森県立保健大学との学術・教育交流協定

1.学術・教育交流協定締結の趣旨と経緯

青森県立保健大学では、公立大学法人の第2期中期計画において、「海外教育機関との国際交流の推進」を掲げ、「交流協定を締結している海外の大学と国際交流を推進するとともに、新たにアジア地域の大学との交流拡大を図る。また、協定を締結している大学との連携により、公開講座、講演会等を通じて県民の健康と生活向上のための情報提供を行う」としている。

このような中、本学では国際交流が可能なアジアの大学等を検討し、国立ナムディン看護大との連携について具体的に検討が開始された。そして、平成30年度計画において「栄養学科との新しい交流を目指し、情報を収集するとともに、ベトナムナムディン看護大学との間で、学生および教員の国際的交流の可能性を検討する」ことが盛り込まれ、ナムディン看護大学等関係大学とも検討を重ねた結果、この度、新入生の入学式の時期に合わせて、学術・教育交流協定の締結を実施した。

 

2.ナムディン市ナムディン看護大学の概要 

ナムディン看護大学は、ベトナム共和国の首都ハノイより約100キロメートル南(高速道路経由で車で約1時間15分)に位置するナムディン省の省都ナムディン市の市街地にある。ナムディン市はベトナム北部のデルタ地帯に位置する都市であり、フランス植民地時代には、繊維工業を主体とした工業都市として開発が進み、現在でもベトナム縫製業の中心地の一つとして知られている。

大学周辺には、Vy Xuyen湖という湖と、それを囲む形で市民の憩いの場となっている公園があり、そこには、英雄のチャン・フン・ダオ(陳興道)の大きな銅像が建てられている。ナムディン市はその陳興道が13世紀に成立したチャン(陳)朝の本拠地で、今でも、新年になると政府高官等が訪れるという、陳一族を祀ったThien Truong寺が市の近郊にある。

そのような街にある、ナムディン看護大学は徒歩圏内に上述の湖と公園、飲食店等を含む市街地が広がり、学生たちにとっても生活しやすい環境にある。

 

   

 

    

Nam Dinh City の様子

 

  

 Vy Xuyen Lake      

 

     

Thien Truong 寺

 

ナムディン看護大学は、1960年に創立された看護師養成学校を母体に2004年に設立された国立大学である。新設された栄養学科には2018年に17名(うち男性3名)が入学している。ベトナムでは、4年制大学の栄養学科を卒業した者を「栄養士」とする制度がまだできたばかりで、法整備もまだ十分にはなされていない。しかしながら、経済的に発展をする中で人々の健康問題が栄養と密接にかかわっており、人の健康に食と栄養の部分からかかわる栄養の専門家を育成することの重要性は高まっている。

ナムディン看護大学の構内には、大学の教室や事務局の入ったメインの建物のほか、講堂、1200人を収容可能な学生寮、大学院生寮のほか、食堂、図書館、テニスコートなどが設置されており、現在は、実習も可能な大学病院を敷地内に建設中であった。また、大学構内には、プライベートの会社ではあるが、ハノイに本校がある日本語学校教室もあり、日本語を学びたい学生は、授業料を支払って学ぶこともできるということであった。

大学には、国際交流を担当する職員の中に、日本語を話すことができる職員もおり、日本の学生が訪れても交流がスムーズにすすむのではないかと思われる。

 

 

 

  

入口ゲートから眺めたメインビル

 

 

  正面玄関内の電光掲示板

  

 

ガラス扉の教室や会議室

    

   

 

   

  上2枚:学生寮(構内)はメインビルから徒歩5分。1部屋6~8人で約1,500人が住んでいる。

 

 

 学生寮に隣接する食堂

 

 

 食事を受け取るカウンター

 

 

食堂内

 

3.注目点 

式典~これからの交流に向けて

調印式当日には、保健省からDr.Hoang Van Thanh氏、ナムディン看護大学学長Le Thanh Tung氏、副学長Ngo Huy Hoang氏、国立栄養研究所所長Prof. Tuyen氏ほか、栄養学科長、国際交流担当の教職員当職員などの大学関係者のほか、栄養学科新入生とその保護者も参加して式典が開催された。

式典では、参列者からのスピーチの後、ベトナム側のナムディン看護大学とベトナム国立栄養研究所と日本側の十文字学園女子大学と本学それぞれが交流協定の調印を行った。

式典の後には、十文字学園女子大学山本茂教授、本学吉池信男教授より新入生たちに向けた講義が行われた。新入生たちは非常に熱心に身を乗り出すように講義を聴講し、また、質疑応答においては、日本の大学との交流についての具体的な内容を各教授に質問し関心の高さがうかがえた。

ナムディン看護大学の栄養学科はまだ始まったばかりであるが、志を持ち、また、国際学術・教育交流に意欲的な学生と、それをサポートする大学教員、ベトナム国立栄養研究所の教授陣と交流することができたことは、今回の成果であったと考える。

ベトナム、ナムディン看護大学との学術・教育交流協定が結ばれたことにより、ベトナムの学生や教員のみならず、日本側からの国際交流を希望する学生や教員にとっても新しい、明るい展望の見える交流の第一歩が記され、これからの発展が期待される。

 

 

  青森県立保健大学、ナムディン看護大学、ベトナム国立栄養研究所との調印式

 

 

 講義(大学 吉池信男教授)

  

  

新入生(17名参加うち男子3名)と先生方

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