3つのポリシー

 

栄養学科ディプロマ・ポリシー

青森県立保健大学健康科学部は、看護学・理学療法学・社会福祉学・栄養学を教授し、学位(学士)を与える大学です。本学は4学問分野がともに人々の健康の保持・増進を目指した科学であり、人間へのケア(ヒューマンケア)を通して、人々の健康的な生活に寄与できることを目標としています。これらの学問の探求や実践を通し、健康な地域社会を創造することが本学の理念です。

この理念を達成するために、本学栄養学科学生が卒業時点で身に付けておくべき能力を4つ挙げました。この4つの力を育成するために構築したカリキュラムのもとで学び、所定の単位を取得した者について、本学は卒業を認定します。

 

1.自らを高める力

―豊かな教養をもとに、適切な表現力をもって自ら学ぶことのできる力―

  • 物事に対する深い理解力とグローバルな視野を持つために幅広い教養を身につけ、豊かな人間性をもとに多様な考え方を受け入れることのできる能力を有する。
  • 自律して学習を組み立て、適切に探求でき、これを自己の成長につなげることができる能力を有する。
  • こころを開いて相手に接し、相手を理解し、自らの考えや気持ちを適切に表現し相手に伝えることができる。

 

2.専門的知識に根差した実践力

―高度な専門的知識と技術・態度を獲得し、これを踏まえて実践できる力―

  • 栄養が、生命の維持、健康の保持・増進、疾病予防・回復・再発防止および介護の上で、どのように関与しているかを理解する。
  • 食生活の改善、栄養教育、栄養補給等、栄養状態を改善するために必要な知識・技術・態度を学び、実践する能力と評価能力を持つ。
  • 人の尊厳と職業倫理を理解し、管理栄養士として、対象者に寄り添った実践ができる。

 

3.創造力

―獲得した知識や技術を発展的に活用できる能力―

  • 人間の健康の保持・増進、疾病の発症予防・重症化予防、および生活の質(Quality of Life; QOL)の向上を目指して、望ましい栄養状態・食生活の実現に向けての支援と活動を実現するため、栄養学・健康科学に関連する諸科学を踏まえた問題解決能力(情報収集力、分析力、提案力)、実践能力を駆使し、これらを発展的に社会に還元させる能力を持つ。

 

4.統合的実践力

―繋がりあうことでより大きな力を発揮できる実践力―

  • 保健、医療及び福祉の多職種や多機関が連携・協調するために必要なコミュニケ―ション能力、メンバー・リーダーシップを持ち、健康的な地域の創造に向け、対象を中心としたチームアプローチができる実践力を持つ。

 

栄養学科カリキュラム・ポリシー

本学のカリキュラムは、「人間総合科学科目」、「専門科目」、「健康科学部共通科目」で構成し、これらをもってディプロマ・ポリシーに掲げた4つの力(自らを高める力、専門的知識に根差した実践力、創造力、統合的実践力)を育成します。

 

〇「人間総合科学科目」には、5つの科目群を置き、自らを高める力を育成し、専門科目で学ぶ基盤を作ります。

 

〇「専門科目」は、習得の順序性を重視し、「専門支持科目群」、「基幹科目群」、「展開科目群」から構成します。「専門支持科目群」と「基幹科目群」では主に専門的知識に根差した実践力を、「展開科目群」では主に創造力を育成します。

 

〇「健康科学部共通科目」は、これからの保健、医療及び福祉を担う人材に共通して必要な能力を育成する科目であり、創造力及び統合的実践力を育成します。
また、多様な入学者が円滑に本学で学べるように、「補強学習科目群」を置き、高校までの習得状況に応じて、入学者が自ら選択して学び、学習の基盤づくりができるようにします(修得単位には含めません)。

 

1.自らを高める力

―豊かな教養をもとに、適切な表現力をもって自ら学ぶことのできる力―

教養を身につけるための教育

ヒューマンケアを実践できる人材として必要な教養を身に付けるために「人間総合科学科目」に、「人間と存在」、「科学と論理」、「人間と芸術」、「現代社会と生活」科目群を置き、自ら選択して学ぶことで、人間やその生活への理解を深める基盤を作ります。

 

主体的学習力を身につけるための教育

生涯にわたって活用できる自己学習力を育成するために、人間総合科学科目で、基礎的なラーニングスキルを習得させます。これを活用して「専門科目」を学ぶことで、自ら学習をし続けることのできる力と態度を育みます。

 

表現力を身につけるための教育

「言語とコミュニケーション」科目群においては、コミュニケーションの基礎を学び、ネイティブスピーカーによる英語の少人数授業や、文化と語学を合わせて学ぶことができる科目などから、グローバルな視野を育み、心の障壁を取り除き、心を開いて多様な人々と接することができる力を養います。

 

2.専門的知識に根差した実践力

―高度な専門的知識と技術、倫理的態度を獲得し、これを踏まえて実践できる力―

学習の順序性

管理栄養士として必要な知識・技術を、系統的・段階的に高いレベルで教授します。

 

アクティブラーニングを主体とした教育方法

効果的な知識・技術の習得のために、アクティブラーニング(実験、少人数での演習、グループディスカッション、模擬事例、シミュレーション教育、臨地実習等)を主体とした教育方法とします。

 

専門的知識・実践力を身につけるための教育

管理栄養士として基礎となる知識は、専門基礎分野(専門支持科目群)の講義で養い、これらを実験・実習によって定着させます。
管理栄養士の高度で専門的な知識と技術は、専門分野(基幹科目群)の講義で養い、これらを実験・実習・臨地実習によって柔軟に応用へと展開できる力を身に付けさせます。

 

倫理観を身につけるための教育

対象者を尊重する態度や管理栄養士の職業倫理への理解を深めるために、専門分野の関連科目においてその内容を習得させます。

 

キャリア形成支援教育

管理栄養士の活躍する現場は多岐に渡るため、様々な職域における実践現場で臨地実習を行うことで、自身のキャリア形成のビジョン作りを支援します。

 

3.創造力

―獲得した知識や技術を発展的に活用できる能力―

問題解決能力を高める教育

系統的・段階的に習得した専門知識・技術をさらに発展させるために、問題解決力・思考力を育てます。そのために総合演習・卒業研究を位置づけます。これらの科目から卒後、栄養と健康の高度専門職業人として、科学的根拠を踏まえ、社会ニーズに適切かつ柔軟に対応できる能力や姿勢を身に付けさせます。

 

クリティカルシンキングを高めるための教育

講義、実験、実習、演習での発表やその評価を通し、4年間を通じて論理的批判的思考力及び科学リテラシーを育成します。

 

健康科学リテラシーを身につけるための教育

健康科学リテラシーを身につけるために、健康科学部共通科目にヘルスリテラシー科目群を置き、段階的な教育を行います。専門科目では、講義・演習・実習を通して、栄養に関わるヘルスリテラシーを教授し、住民のヘルスリテラシー向上に活用できる能力を育みます。

 

4.統合的実践力

―繋がりあうことでより大きな力を発揮できる実践力―

地域課題(ヘルスリテラシー向上)を核とした実践力の育成

「健康科学部共通科目」の「ヘルスリテラシー科目群」において、自らの健康科学リテラシーを応用し、住民のヘルスリテラシーを向上させるための方策について探求します。1年生から4年生まで専門科目の習得レベルに応じた科目を配し、1年次、4年次には地域に赴き、地域とそこに暮らす人々の現実の健康上の課題から援助方法を探求します。

 

多職種と協働できる実践力を育成するための教育

ヘルスリテラシー科目群では、学科混成グループで学びあう場を提供します。各々の専門分野を知り、関心や視野を広げるとともに、対象を中心として他職種が協働してケアを実現することができる実践能力を育成します。学びの過程を通し、表現力、リーダーシップ、メンバーシップを育成します。
また、ヒューマンケアやキャリア、ボランティアに関わる最新動向を学習するヒューマンケア特殊講義、他学科に開講できる専門科目を抽出した「共通選択科目群」を置くことで、学生自身の興味に従って選択して学ぶ環境を提供し、視野を広げ、他分野への理解を促します。

 

栄養学科アドミッション・ポリシー

 栄養学は保健・医療分野のなかで基盤となる学問です。その学問および実践の専門家である管理栄養士は、食品、調理といった口に入る前のことから、体内での代謝・生理、また人々の食行動に関するさまざまな要因について理解する必要があり、幅広い学問的基礎と深い洞察力、柔軟な応用力が求められます。

 このため、次のような資質を有する学生を求めます。

 

(知識・技能)

1 特定の教科に偏らず、高等学校(中等教育学校を含む。)で学ぶ各教科の基礎的内容を十分に理解している。

2 栄養学の専門分野を主体的に学ぶための基礎となる科目、特に生物や化学を理解している。

 

(思考力・判断力・表現力等の能力)

1 人間の健康と栄養との関係を論理的に考え、的確に伝えることができる。

2 栄養学を通して生命と健康にかかわる真理を追求することに情熱がある。

 

(主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度)

1 豊かなコミュニケーション能力と“Think globally, act locally”の感覚を持っている。

 

(意欲、専門分野への興味・関心)

1 健康の維持・増進、疾病の予防・回復・再発防止を目指して、食を通した人々への支援に取り組みたいという目的意識を持って地域社会に貢献する意欲がある。

2 地域における農林水産食品の加工・調理や機能性にかかわる研究開発にチャレンジする意欲がある。

3 ヒューマンケアを実践したいという夢と情熱を持っている。

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